アップルによる初のバッテリー内蔵ケース『iPhone 6s Smart Battery Case』を購入してみました。
まずは基本的なスペックの確認から。
- 容量:1,877mAh / 7.13 Wh
- 入力:最大 5.2V 2.4A
- 出力:最大 5.0V 1.0A
- 重量:100.0g
- バリエーション:ホワイト / チャーコールグレー
- 対応機種:iPhone 6, iPhone 6s
- 対応OS:iOS 9.1以降
- 価格:11,800円(税別)
パッケージの内容は、本体と簡単な説明書のみで、充電に必要なLightningケーブルやイヤフォン用のアダプタなどは付属していません。
商品説明に「ケースはシリコン製」とあるため、柔らかいものをイメージしていましたが、外装のみシリコン製で、本体のフレームにかなり剛性の高い素材(金属?)が使われており、力を加えても全くといってよいほど変形しません。
また、上下のパーツに分割している一般的なバッテリー内蔵ケースとは異なり、後述する仕組みによって繋ぎ目のない一体型を実現しています。
ボタンおよびスイッチは、ケースを取り付けることで操作感が落ちるものの、ストレスが溜まるほど使いにくい訳ではなく、慣れてしまえば気にならない程度です。
ケースの内側、つまりiPhoneが触れる部分には柔らかいマイクロファイバーが使われており、傷が付く心配がありません
iPhoneの本体下側にはスピーカーとマイクが配置されていますが、ダクトを通して前面につながるようになっています。
一番右側の穴はヘッドフォンを挿すためのもの。
ケースの上部、ちょうどサウンド・オン/オフのスイッチのあたりは硬いフレームが入っておらず、通常のシリコンケースのようにグニャリと曲げることができます。
iPhoneに装着する(または外す)際は、曲げた状態でスライドさせるようにします。
バッテリーパックではない部分は、一般的なケースと同じくらいの暑さしかありません。
よって、カメラの周囲の開口もこのくらいの小ささで済むようです。
実際に手に取ってみると、バッテリー内蔵ケースによくある「大きい」という違和感がなく、「本当にバッテリー入ってるのか」と思うくらい、しっくりと手に馴染みます。
段差のあるデザインが不評のようですが、ホールド感はかなり良い印象です。
充電は、ケース単体またはiPhoneを入れた状態、のどちらでも行えます。
ケースに入れた状態では、iPhoneとケースの両方が同時に充電されます。
ケース単体で充電する際は、ケース内側にあるLEDが「オレンジ → グリーン」で、充電が終わったことを確認できます。
ケースのバッテリーをフル充電し、完全に放電したiPhone 6sで試したところ、80%まで充電できました。
内蔵バッテリーの充電はLightningケーブル(別売)を使います。
iPhoneに付属しているもので構いませんが、注意したいのは電源アダプタです。
このケースの入力は「最大5.2V 2.4A」まで対応していますが、iPhoneに付属しているUSB電源アダプタは出力が5.0V/1.0Aのため、最速で充電することができません。
iPadに付属している12Wのアダプターや、2.4Aに対応しているサードパーティ製のUSB充電器を使ったほうが、充電時間を短縮できます。
他のバッテリー内蔵ケースに無い機能として、内蔵バッテリーの状態をiPhoneからチェックできる、というものがあります。
ケースを装着した状態で通知センターを呼び出すと、iPhoneおよびケースのバッテリー残量、および充電中かどうか、が表示されます。
ケーブルの抜き差しをする際には、同様のステータスがロック画面に大きく表示されます。
また、電源ボタン/スイッチはなく、ケース内蔵のバッテリーを優先して使用するように自動的で制御されます。
アップルはこれらの機能のことを「Smart(賢い)」と呼んでいるようで、日本語の「スマート(見た目がかっこい)」という意味ではないようです。
iPhoneの機能をほぼ損なうことがないケースですが、ユーザーによっては大きな問題となりうるのが、イヤフォン用の穴です。
純正のイヤフォンは問題ありませんが、穴が小さく奥まっているため、他社製では問題が起きる場合がかなりありそうです。
iPhoneユーザーのバッテリーへの不満に応えることなく、ひたすら薄型化を進めてきたアップルが、このような製品を出すことは予想していませんでした。
デザインは好みにもよりますが、イヤフォンを除けば機能面では申し分なく、完成度が高いという印象を受けました。
価格は11,800円(税別)。
純正のシリコンケースが3,800円(税別)であることを踏まえると、むしろ安く感じてしまうのは錯覚でしょうか。