【集中力UP】NETATMO+IFTTT+SwitchBotでCO2濃度を監視+自動換気する方法

室内の「二酸化炭素(CO2)濃度」を監視して、自動で換気する仕組みを作ってみました。

CO2とその影響

温室効果などでよく話題になるCO2は、大気中には極々少量(体積比で約0.03%)しか含まれていません。

しかしながら、人のカラダはCO2の濃度に敏感で、室内などで濃度が上がると眠くなったり集中力・パフォーマンスの低下に繋がるようです。

とくに締め切った部屋、人数が多い空間、暖房器具やガス調理器具の使用中などは、思った以上に短時間で濃度が上がってしまことは、あまり知られていないかもしれません。

筆者も「NETATMO(ネタトモ)」を5年前に購入して計測してみるまでは、あまり意識したことがありませんでした。

例えば、閉めきった6畳の部屋で換気せずに大人ひとりが寝たときのグラフ。

寝る前に741ppmだった濃度が、寝ている間にぐんぐん上昇し、朝には2,720ppmに到達。大気中のCO2濃度は約405ppmとされているので、一晩でその6.7倍になった計算です。

これでも代謝が落ちている就寝中はまだよい方で、日中はもっと上昇しやすくなります。

 

連続換気の寒さ問題 (花粉も)

室内のCO2濃度を下げる唯一の方法は、窓を開けるもしくは換気システムをオンにして外気と入れ替えることです。

連続して換気していれば常に空気の質は保たれますが、この時期は寒くなることが問題(これからは花粉もですね)。

換気している最中に、壁にある換気レジスターをiPhone用のサーモグラフィー「FLIR ONE」で撮影したのがこちら。冷気が入り込んでいるのがよくわかります。

せっかく暖房で温め、加湿器で湿度をあげた空気を無駄に捨てたくないですし、かといってCO2濃度もあげたくない、という相反する要求ということになります。

CO2が一定以上になると換気扇を回し、不要なときは換気扇を止める、というのが効率的だと思い、まずは手動で試してみました。

[補足]大規模なビル・オフィスなどは法令で1,000ppm以下に保つという基準があるようです。また住宅もシックハウス対策で2003年以降は換気システムの導入が義務付けられています。また寒冷地では熱交換器が導入されており、上記のような問題は起きにくいかもしれません。

 

まずはCO2濃度の監視

NETATMOのアプリには、温度・湿度・CO2濃度があらかじめ設定した値になると、プッシュ通知でアラートをする機能が標準で搭載されています。

1,000ppmを閾値にした場合が下の画面。筆者は各部屋にセンサーを置いているので、それぞれからアラートがあがってきます。

同居する家族がいるため、IFTTT(イフト)で連携してLINEのグループに通知を流すようにしてみました。

自分が気付かないときや外出中でも、誰かしらが換気してくれればよい、という訳です。

しばらく試してみたのですが、手動で換気するのは面倒なこと、寝ている間は対応できないなど、あまりうまく機能しませんでした。

 

Switc Botで換気扇をオン/オフ

手動がダメなら自動でできる方法はないか、と考えていて思い出したのが、スイッチのオン・オフをしてくれる小さなロボット「SwithBot」(4,480円)という製品です。

バッテリー内蔵+Bluetooth接続の小さなデバイスで、家電や照明などのスイッチに貼り付けると、アプリから操作できるようになります。

本体の中程にあるツメのような部分でスイッチを「ON」にします。

また、写真下のワイヤーがついたシールをスイッチ側に貼っておくと、ボタンを引き上げて「OFF」もできます。

筆者の家ではキッチンの換気扇とは別にトイレ+浴室用の換気扇があり、これをオンにすると各部屋の換気レジスター(壁に開いている吸気口)から外気を取り込むようになっています。

シールというところが不安でしたが、信頼の3M製の両面テープはかなり強力で、簡単には剥がれそうにありません。また、シールは予備が1枚付属していて、追加で購入することもできます。

SwithBotの動作音はそれほど気にならないものの、スイッチ(とくにOFF時)はかなり盛大に「バチン!」という音がするので、最初はびっくりするかもしれません(今は慣れました)。

これで「Switch Bot」をアプリから操作できますが、自動化にはインターネットと接続するための「SwithBot Hub Plus」(6,980円)が必要です。

Hub PlusをWi-Fiで接続し、SwitchBotとBluetoothでペアリングします。

IFTTTとSwitchBotを連携し、CO2濃度をトリガーにした2つのアプレット(旧レシピ)を作成しました。

  • 800ppm以下でSwitchBot(換気扇)をON
  • 1,500ppm以上でSwitchBot(換気扇)をOFF

これで、CO2濃度をある程度抑えつつ、不要な換気もしなくて済むはずです。

下は自動化してからのCO2濃度の一例です。

IFTTTに多少タイムラグがあるためピッタリではないものの、800ppmと1,500ppmの間におさまっています。

この設定で1月中旬から運用しており、うまく機能しているようです。

もちろん、換気を優先して1,000ppm以下に抑えることもできますし、逆に暖かさを優先することも自由に設定できます。

これからの花粉の時期には換気を控えめに、気温が上がったらもう少し換気を多めになど、季節によっ調整していくつもりです。

CO2が脳の働きに与える影響を考えると、子供の勉強部屋、小さなオフィスなどでも、自動で監視・換気する仕組みがあったほうがよさそうです。

まずはCO2を測定するところから始めてみることをお勧めします。