【レビュー】AirPlay対応:接続の手間・音質の劣化がないワイヤレススピーカー『BOSE SoundLink Air』

BOSE(ボーズ)のAirPlay対応ワイヤレススピーカー『SoundLink Air digital music system』を購入、試してみました。

BOSEによるiPod・iOSデバイス向けのスピーカーといえば、30ピンDockコネクタ搭載の「SoundDockシリーズ」や、Bluetooth接続の「SoundLink Wirelessシリーズ」などを連想する人が多いかもしれません。

直挿しタイプの前者はデバイスを触りながら使えず、Lightningコネクタ搭載のデバイスではアダプタが必要。また後者は、Bluetoothの規格による音質の劣化、面倒なペアリングが必要だったりします。

今回レビューをするこの製品は、「ワイヤレスかつ音質の劣化・面倒な設定と無縁」という、少し虫がよすぎるようなスピーカーです。

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サイズおよびデザインは「SouldDockシリーズ」を踏襲し、前面のDockコネクタ部分を取り去ったようなスッキリとした外観です。

ボタン類はサイドの音量アップ・ダウンおよび底面のリセット用の3つしかありません。

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付属品は、セットアップ用のUSBケーブル、ACアダプタ、リモコンが同梱されています。

巨大なACアダプタが目を引きますが、実はケーブルワインダーを兼ねており、ちょうど良い長さに調節することができます。

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そもそも「AirPlay」とは?

AirPlay(エアプレイ)は、音楽・動画・写真などコンテンツをWi-Fiでストリーミングする、アップル独自のワイヤレス機能です。

Apple TVへのミラーリングをはじめ、対応したスピーカーやオーディオ機器で音楽を楽しむことができます。

ワイヤレススピーカーとしての利用に限ると、Bluetoothとの違いが分かりにくいかもしれませんが、AirPlayのメリットは、

  • Apple Lossless (可逆圧縮)により音質が劣化しない
  • 面倒なペアリングが不要
  • 複数のスピーカーへのストリーミングが可能
  • AppleのRemoteアプリで操作可能

などがあり、逆にデメリットは、

  • Wi-Fi環境が必要
  • Apple製品のみ対応 (Android端末などは非対応)
  • バッファリングによる遅延が大きい(2秒程度?)

といったものがあります。

よって「AirPlay」のスピーカーは、Wi-Fiが必要なため携帯用というより屋内での据え置き用、遅延が大きいためゲームや動画ではなく音楽鑑賞により適しているといえます。

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思いのほか簡単なセットアップ

Wi-Fiを利用してストリーミングするため、初期設定としてスピーカーをWi-Fiネットワークに参加させる必要があります。

設定の方法は、「PCをUSBで接続」または「ブラウザで無線接続」のどちらかで行います。せっかくなのでiPhoneを使って後者でセットアップしてみました。

スピーカーの電源を入れ、iPhoneのWi-Fi設定画面に表示される「BOSE SoundLink Air」というWi-FIスポットに接続。

あとはブラウザで「http://192.168.1.1」を開き、既存のWi-Fiネットワークとそのパスワードを入力するだけで設定は完了です。

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スピーカーがWi-Fiネットワークに接続されると、iPhoneの「ミュージック」アプリやタスクトレイ、MacのiTunesの出力先に「Bose SouldLink Air」が追加されます。

これを選択するだけで、スピーカーへのストリーミングがはじまります。

iPhone・iPod touch・iPadがWi-Fiネットワーク接続済みであれば、ペアリングのような設定は一切必要なく、直ぐに音楽を楽しむことができるわけです。

また、Wi-Fiネットワーク上にある複数のAirPlay対応機器へストリーミングすることもでき、家の各部屋で同じ曲を流す、といったことも可能になります。

アップルが無料で公開しているアプリ『Remote App Store』を使えば、手元で複数のAirPlay対応機器を集中コントロールすることもできます。

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Bluetoothスピーカーはお蔵入りに

発売直後に購入し約1ヶ月半ほど使用していますが、それまで活躍していたBluetooth対応の『BOSE SoundLInk Wireless Mobile』(レビュー)を最近ではほとんど使用しなくなりました。

理由のひとつは、やはり音質の違いです。

「Wireless Mobile」もサイズの割に良い音を鳴らすのですが、いかんせんBluetooth接続による音の劣化があるため、スピーカーの能力を出し切ることができません。

それに比べてこの「SoundLink Air」は、BOSEらしい豊かな低音とそれに負けない伸びのある中音・高音などスピーカーとしての実力が高く、さらにAirPlayによって音質の劣化が無いのが大きいようです。

音質もさることながら、最大の違いは「接続のしやすさ」です。

バッテリーを節約するという意味もあり、不要な時はBluetoothをオフにしていることが多いため、スピーカーを使う際に必ずBluetoothをオンにするという一手間が発生していました。

一方で、自宅ではWi-Fiは常時オンにしているため、出力先をスピーカーに変えるだけで済み、面倒な設定変更が必要ありません。

価格は36,750円(税込)。

オプションでバッテリー(9,450円・税込)も用意されていますが、据え置きで使うことになるので、要らないのではないでしょうか。

このBOSE製だけでなく、少しずつAirPlay対応のスピーカーが増えてきているようです。

ワイヤレスの利便性を享受しつつ、音質を犠牲にしたくないという方は、AirPlay対応スピーカーをチェックしてみてはいかかでしょうか。