iFixitが、発売されたばかりの「iPhone XR」の分解レポートを公開しています。
恒例行事となっている分解レポート・シリーズは、内部構造を明らかにすることで、目に見えない部分での進化を探るのが目的です。
また、修理のし易さを評価・指標化することで、消費者の「修理をする権利」を守ると同時に、製品の寿命を伸ばすことで環境への負担を減らす、という狙いもあります。
分解はまず、Lightningコネクターの両脇にあるペンタローブ・スクリューを外し、接着剤を温めて柔らかくしてから液晶パネルのコンポーネントを外することから始まります。
iPhone XRの画面サイズは6.1インチで、液晶画面のiPhoneとしては過去最大。もちろん、有機ELも含めると、iPhone XS Max(6.5インチ)が最大です。
通常SIMカードのスロットはロジックボードに直付けされていますが、XRではiPhoneとしては初めて、独立したモジュールになっています。
ロジックボードの形状は、iPhone 8・8 PlusまでのL字型から、iPhone Xシリーズのストレート形へと変化しています。
ロジックボード(プロセッサー側)の画像。
- 赤 – A12 Bionicチップ
- 橙 – Wi-Fi/Bluetoothモジュール
- 黄 – NFCコントローラー
- 緑 – オーディオ・アンプ
iPhone XRは「3D Touch」を搭載しておらず、強く押す代わりに長く押す「Haptic Touch」を採用しています。
押している感覚を「振動」でシミュレートしているのが、このTaptic Engineモジュール。
バッテリーパックの容量は11.16 Wh。
これは、iPhone 8 (6.96 Wh)・8 Plus (10.28 Wh)・XS (10.13)を超える容量です。
また、形状はL字のXSシリーズとは異なり、従来どおりのストレートタイプ。
カメラのモジュールは、iPhone XS・XS Maxのワイド側と同じものを採用しているとのこと。
液晶ディスプレイを搭載しつつも、最新のチップやiPhone X・XSシリーズのデザインを取り入れるなど、「iPhone Xと8のハイブリッド」という印象を受けます。
修理のし易さについては、修理の頻度が高いディスプレイとバッテリーへのアクセスのし易さを評価しつつも、ペンタローブの使用や背面ガラスの交換の難しさなどにより、10点満点中「6」としています。
より詳しい分解の手順、高画質の画像は、iFixitのサイトでチェックできます。