CES 2015で渡米した際に、ソフトバンクが昨年9月から開始した「アメリカ放題」を試してみました。
「アメリカ放題」とは
海外旅行でスマートフォンを利用すると、通話料金はもとよりデータ通信料が莫大になり、帰国後に高額の請求をされて驚くという話をよく聞きます。
海外では定額制データ通信プランが適用されず従量制になるためで、それを避けるために海外向けのWi-Fiルータをレンタルしたり、現地でSIMを調達する等の対策をとるのが一般的です。
ソフトバンクがはじめた「アメリカ放題」は、同社が買収した米国の通信会社・スプリント社のネットワークを活用し、日本のユーザーが米国本土やハワイに滞在している間、国内と同じ料金プランを適用するという画期的なサービスです。
本来は月額980円のオプション・サービスですが、現在「サービス開始記念キャンペーン」で無料となっています。
対応機種は、iPhone 6・iPhone 6 Plus・iPad Air 2のみ。記念キャンペーン期間中のみ、iPad mini 3も含まれます。
渡航前に空港でしておく設定
「アメリカ放題」を使うにあたり、ソフトバンクが推奨している設定があります。
まずは米国へのフライトに搭乗する直前に、次の設定をしておきます。
「設定」>「モバイルデータ通信」で「4Gおオンにする」をオフ、「モバイルデータ通信」をオフにします。
アメリカ到着後の設定
現地に到着して飛行機から降りたら、次の設定を行います。
長旅で疲れていると忘れそうですが、到着と同時にソフトバンクからお知らせのSMSが届くので、思い出すはずです。
まずは「設定」の「キャリア」を自動に設定。
「Sprint」を指定してしまいそうですが、自動が正しい設定とのこと。
次に、「モバイルデータ通信」をオンにし、「4Gをオンにする」を有効にします。
そして重要なのが、「データローミング」がオフになっていることの確認。
スプリントのネットワークを掴むと、下のように表示されます。
この状態であれば、日本にいるのと同じ料金プランが適用されるわけです。
スプリントの圏外へ出ると、AT&TやTモバイルなどのネットワークに接続。データの定額プランの対象外となるので注意が必要です。
スプリントのネットワークは、米通信会社の中でも貧弱と聞きますが、思ったよりも繋がるという印象でした。
CESの会場や、乗り継ぎで使ったロサンゼルス・サンフランシスコの空港などでも、ほんとんど接続されました(通信速度はかなり遅いですが)。
海外旅行中は、地図をみたり、レストランや観光スポットの検索、そしてSNSへの投稿など、国内にいる以上にデータ通信を使うようになるものです。
今回は取材ということでルーターのレンタルをしましたが(7日間で約9,000円)、プライベートの旅行であれば「アメリカ放題」だけで十分と感じました。
これまでのようにルーターのレンタルしたり現地SIMの調達することが不要になるので、アメリカによく行く、または比較的長く滞在する予定がある方は、かなりの節約になるはずです。
ソフトバンクの対応機種のユーザーの方は、渡米の際にぜひお試しを。
「アメリカ放題」についてよくある質問
Q. スプリントの圏外では使えないのか
A. 推奨される設定ではキャリアの設定が自動になっているため、スプリントの圏外ではAT&TやTモバイルなど他社のネットワークに接続されます。その度にSMSでお知らせがくるので、アメリカ放題が適用されていない状態であることがわかります。通話の着信もできるため、電話連絡がつかない、という事態にはなりません。
Q. 他社ネットワークでデータ通信を行えるか
A. データローミングをオンにすれば使えます。この場合は、アメリカ放題は適用されず、別途料金が発生します。
Q. バックグラウンドでデータ通信を行うアプリはどうなる?
A. データローミングがオフになっていれば、勝手に他社のネットワークでデータ通信を行うことはないなずです。よって推奨されている設定で使う限り、別料金が発生する心配はありません。
Q. アップルで購入したSIMフリーの端末は使えるか
A. 筆者が試した限りでは、日本のApple Storeで購入したSIM(ロック)フリーのiPhone 6に、ソフトバンクのSIMを入れた状態で利用できました。
Q. ホワイトプラインで使える?
「アメリカ放題」は、「スマ放題」だけでなく、「ホワイトプラン」も対象です。