iFixitが、発売されたばかりの第5世代 iPod touchの「Teardown (分解)」を公開しています。
フロントパネルがネジ留めされているiPhone 5とは違い、第5世代iPod touchは接着されているため、まずはヒートガンで温める必要があります。
一歩間違えば熱でパーツを痛める可能性があり、この時点で一般の人は分解に手を出すべきではないことがわかります。
接着剤だけでは不安なのか、数個の「ツメ」でも固定するという念の入れようで、慎重に外す必要があるとのこと。
フロントパネルを開けたところ。
第5世代はタテ・ヨコののサイズがiPhone 5とほぼ同じですが、中身のレイアウトは全く異なります。
iPhone 5が縦方向に空間を2分して長細いバッテリーとロジックボードを収めていたのに対し、新しいiPod touchは横方向に分割。
上にロジックボード、下にバッテリーを配置しています。
ケーブル類を外し、ロジックボードを外に出したところ。
Lightningコネクタ、イヤフォンなどの接続する多目的のフレックスケーブルは、バッテリーの下を潜っています。
ロジックボードに細い線で繋がれているパーツがWi-Fiのアンテナ。
携帯通信がないiPod touchにとってWi-Fiは生命線といっても過言ではありませんが、こんなに細いケーブルで繋がっているのは少し驚きです。
このモデルから802.11nの5Ghzにも対応し、ベースステーションが対応している環境では高速化が期待できます。
iSightカメラ(メインカメラ)のユニット。
なぜか本体から飛び出しているあの「出目金」のようなデザインの正体です。
ケーブルにシールドがついているのはノイズ対策のためでしょうか。
メーカーについては触れられていません(ソニー製?)。
iPhone 5では、故障の多いホームボタンに金属製のブラケットを採用して耐久性が向上しています。
残念ながらiPod touchでは、今回も樹脂製のものが使われているようです。
バッテリーの容量は、第4世代の930mAhから1,030mAhへと若干ながら増加。
音楽再生時間は同等とされており、画面の大型化や約2倍のパフォーマンス向上などを賄うには少なすぎるように思えます。
スペック上ではiPhone 4Sと同じ「Apple A5」プロセッサーとなっていますが、製造プロセスの移行が行われているかもしれません。
ロジックボードの主なパーツは次のとおり。
- 赤:Apple A5 デュアルコア 512MB
- 橙:Toshiba 256Gb(32GB) NANDフラッシュ
- 青:Broadcom タッチスクリーンコントローラ
- 緑:Murata Wi-Fiモジュール
iFixitは、バラした製品の修理のしやすさ10段階で評価していますが、第5世代 iPod touchは3点という低いスコアが与えられています。
7点を記録したiPhone 5と比較すると、このデバイスの分解がいかに難しいかが伺えます。
実践はお勧めしませんが、詳細な分解ステップおよび高画質な画像は、iFixitのサイトでどうぞ。