周囲の騒音を98%低減することを謳う、インイヤータイプのデジタルノイズキャンセリング・ヘッドフォン『SONY MDR-NC300D
』を購入、試してみました。
「ノイズキャンセリング」機能は、周囲の音をマイクで拾い、それを打ち消す逆位相の音を発生させることで、騒音を低減するというものです。
電車・飛行機・バスなどで移動する際や、集中して仕事・勉強をしたい時など、周囲の騒音から解放された静けさの中で、iPhone・iPodで音楽やPodcast・語学学習などを聴くことができます。
この『MDR-NC300D
』は、一般的なノイズキャンセリング製品と違い、ノイズの分析からフィルター特性の切替え、アンプまでを1チップ化してデジタルで行うことで、騒音を大幅に低減し、クリアなサウンドの出力を実現しています。
フラッグシップモデルならではの高級感
ソニーのノイズリダクション製品の中でも、イヤフォンタイプのフラッグシップモデルにあたり、パッケージも、
- イヤフォン+本体
- イヤーピース
- レザー調キャリングケース
- キャリングポーチ
- 延長コード
- 電池
- コード長アジャスター
- 航空機用アダプタ
- クリップ
と、かなり豪華な内容です。
地味ながら特筆すべきは、サイズの異なるイヤーピースが7種類も用意されていること。
これだけの種類があれば、だれでも自分にピッタリの大きさのピースを見つけらるはずです。
また、イヤーピースには2種類の固さのシリコンを使った「ハイブリッドイヤーピース」を採用。コシを維持しながらフィット感が得られるため、長時間使用しても疲れにくいのが特徴です。
本体は高級感のあるアルミ製で、ノイズキャンセリングの調整やバッテリー残量を確認できる小さな液晶画面を搭載。
イヤフォンも本体とマッチするアルミを採用。
右下の小さな穴が幾つか開いている部分にマイクが内蔵されており、周囲の騒音を拾います。
手前に見えるのが交換可能なイヤーピース。
中央にある大きな円盤(「L」と欠かれた部分)の中に、16mmというイヤフォンとしては大口径のドライバーユニットを内蔵しています。
ぱっと見ると大きなイヤフォンですが、コードの位置と重量バランスがよいのか、耳に装着するとそれほど重さを感じません。
本体サイドには、
- 「サウンドモード」切替えボタン
- 音量ボタン
- ホールド・パワースイッチ
があります。
「サウンドモード」は、ソース(コンテンツ)に合わせて、ノーマル、MOVIE(セリフをを強調)、BASS(低音重視)から選択できます。
バッテリーは単3を1本使用し、スペックによると20時間の使用が可能。
片道1時間の通勤・通学ならば、約2週間で持つ計算になります。
周囲の騒音を98%低減する実力
製品説明によると、「騒音を98.4%低減」するとされ、
当社規定の航空機シミュレートノイズ下におけるノイズキャンセリングモードA時と、ヘッドホン非装着時との比較による値。総騒音抑制量(当社測定法による)約18dBは音のエネルギーで約98.4%の騒音低減に相当
とあります。
この種の計測値は、実際に耳で感じるもの違うのが常ですが、それでも使ってみるとかなりの効果を実感することができ、体感では8、9割低減といった印象です。
ノイズキャンセリング製品はBOSE社のものも含め幾つか試聴したことがありますが、騒音を低減する能力は最も優れているといっても過言ではありません。
その理由のひとつと考えられるのが、「フルオートAI」という機能で、周囲の音に合わせて、「航空機」「電車」「室内」の3つのモードを自動で切換えることで、常に最適を維持してくれます。
また、これはどの製品にも言えることですが、ノイズキャンセリングは、航空機のエンジン音や電車内・エアコンなどの「ゴー」という低音に最も効果があり、人の声や高い音などは意外とそのまま聴こえる、という特性があります。
完全な静寂ではなく、使用中も車内アナウンスや玄関の呼び鈴などは聞こえますが、より注意して周囲の音を聴きたい場合は、「MONITOR」ボタンを押すと、ノイズキャンセリングを一次的に停止することができます。
静けさがもたらす快適さ
電車・地下鉄・バス・飛行機の全てで使用してみましたが、いずれの場合も騒音が大幅に低減され、必要最低限のボリュームで音楽を楽しむことができました。
また効果を試すために「MONITOR」を押してノイズキャンセリングをオフにすると、普段