MacWorld Expo開催中の1月7日、日本のiPhoneアプリ・ソフト開発者が集まり、海外メディアに向けたプロモーションイベントを開催しました。
場所はExpo会場から徒歩で10分ほどのSix Apart社内の会議スペース。少し離れた場所にも関わらず、海外・国内のメディア関係者で部屋に入りきらないくらいの盛況ぶりでした。
App Storeでアプリを公開することの利点は、世界中のiPhone・iPod touchユーザーに向けてビジネスができることです。
一方で、いかにしてそれらのユーザーにアピールするかが、開発者に共通の課題・悩みでもあります。英語圏、特にアメリカで認知されることは、ビジネスとしてアプリを販売していく上で、クリアしなければいけないハードルということができます。
日本の開発者はこれまで個々に海外へのプロモーションを行ってきたと思われますが、今回のイベントのようにある程度まとまってイベントを行うことで、注目度と宣伝効果のアップが期待できると思います。
Macworldの取材で多忙な中、イベントのコーディネイトに奔走してくださったジャーナリストの林信行氏が、”日本の携帯事情”についてプレゼンをしてイベントがキックオフされました。
司会進行は『ロングマン英和辞典
』、『アメリカンヘリテージ英英辞典
』などを手がける、Enfour Groupのリチャード・ノースコット氏。
トップバッターは『上海
』など開発しているサンソフトの水野政司氏。
上海は国外で『Mahjong Solitaire』というタイトルで販売されています。出来上がったばかりの無料アプリ、『Meow
』も紹介。
『iKoto
』など、App Storeに多数のアプリを公開しているGClueの佐々木陽氏。
『iKoto
』での演奏や、『iGeisha
』のデモなどは、会場に来ていた海外メディアにもウケていました。
iPhone向け3Dグラフィクス・エンジン『MascotCapsule eruption』を開発しているエイチアイの高橋憲一氏。
このエンジンは前述の『iGeisha
』にも採用されているとのこと。
同社の3DエンジンとOpenGL ESを、車のオートマとマニュアルに例えて分かりやすく説明をしていました。
3Dグラフィクス・エンジンを使ったアプリを開発中のジェイズアベニュー今村哲矢氏。
キャラクターが画面の中を動き回るアプリや、3Dシューティングゲームなどのプロトタイプを披露していました。
開演前と休憩時間には、サンノゼから来て応援に駆けつけた琴演奏者の生演奏もあり、日本の雰囲気を演出していました。
美谷広海氏は、日めくり手帳アプリ『Pokedia
』をデモ。
流暢な英語でアプリの特徴を説明。紙の手帳とのコストパーマンスの比較が面白かったです。
ユビキタスエンターテイメント(UEI)、清水亮氏が日本のモバイル事情についてプレゼン。
UEIは、『ZeptoPad
』、『Zeptoliner
』に加え、リリースされたばかりの『iShodo
』のデモを行いました。
ロイヤルガジェットの高浦二三康氏。
自らデザインしたというかわいいキャラクターが登場する、『WeatherChanger
』『TeruMemo
』を披露。
隣で見ていた女性は、キャラクターがかなり気に入った様子でした。
もっとも会場を沸かせたのは、サムライに扮したConitの橋本謙太郎氏。
学生時代に英語で演劇をしていただけあり、迫力満点で来場者は大いにウケていました。
『Samurai Chess
』と『Melody Bell
』を紹介。デモの演出もさることながら、アプリの中身も凝っているようでした。
『つみネコ
』などを開発する、ビースリー・ユナイテッドの鈴木宏幸氏。
カメラマンのためにポーズをとって笑いをとるなど、摑みは上々でした。
かなり手の込んだプロモーションビデオで笑いをとりつつ、『つみネコ
』のイメージアップを図っていました。
最後は、App Storeのランキングの常連となっている『FingerPiano
』を開発する和田純平氏。
このアプリのデモを見せられた時の反応は万国共通でしょう。
英語でのプレゼンは今回が初めて、という方もいたようですが、事前に何度もリハーサルを行ったことと、自分のアプリを知って欲しいという熱意があるおかげで、来場者によく伝わっているようでした。
イベント自体は間違いなく成功ですが、本当の成果は、これをきっかけにより多くの海外メディアに取り上げられること、そしてなにより海外での販売につながるかどうかにかかっています。
今回参加したのは国内のiPhoneアプリ開発者の1部なので、他の開発者も含めて第2弾、第3弾と続いて行くとを期待したいと思います。