以前から気になっていた、”ノイズキャンセリング・ヘッドフォン”。
このジャンルではBOSE社が草分け的な存在ですが、4万円以上もするため手がだせませんでした。
最近では多くのメーカーからが扱うようになり、選択肢が増えて価格もこなれてきているようです。今回は低価格帯に属する、『サンワサプライ MM-HPNR3』を入手、試してみたのでレポートします。
ノイズキャンセリングとは?
ノイズキャンセリングは外部の騒音をマイクで拾い、その逆位相の音を出すことで騒音を打ち消す、という仕組みになっています。(詳しくはWikipediaを参照)
この説明をからすると、ノイズを100%キャンセルできそうに思えますが、現実はノイズを”低減する”というほうが正しいようです。実際には、ヘッドフォンそのものによる遮音と、ノイズキャンセリング機能の組み合わせで周囲からの騒音を減らしているといえます。
電車や航空機での移動時などの大きな騒音が”疲れ”の原因だ、という話を聞いたことがあるでしょうか?
人間の脳は、無意識のうちに”必要な音”と”そうでないもの(騒音)”とを別けていて、その作業で疲れるという説です。これが事実ならば、ノイズを減らしてくれるヘッドフォンによって疲れの軽減も期待できます。
また、電車内などの騒音が極端に大きい場所でヘッドフォンの音量を上げ、後で静かな場所で聴いてその音量にびっくりした、という経験はだれでもあると思います。このように音量を上げた状態で長時間聴いていると、”ヘッドフォン難聴”になる心配があります。ノイズキャンセリングにはこれを予防する効果がありそうです。
低価格でも基本機能はしっかりカバー
今回試した、『サンワサプライ MM-HPNR3』は、4,000円でおつりがくるという手軽さながら、
- 周囲のノイズを約1/4に低減
- 口径30mmのスピーカ
- 折りたたみ式で携帯に便利
- キャリングケース・航空機よう2股アダプタ付き
- 単4電池1本で連続再生50時間
- 電池が切れたら通常のヘッドフォントとして利用可
という申し分ないスペックです。非常に軽いこと、ネックバンドタイプで髪型が気にならないこと、などが気に入りました。ノイズキャンセリングはスイッチでON/OFFすることことができます。
音質については低音が足りない印象を持ちました。また、初期のノイズキャンセリング製品にみられた、無音時の”サーー”っといったノイズはあまり気になりませんでした。
機内・地下鉄車内でバツグンの効果を発揮
ノイズキャンセリング・ヘッドフォンに興味を持ったのは、海外出張でビジネスクラスを利用した際、備え付けられていたものを使ったのがきっかけでした。機内の騒音を半減させるその効果と快適さに驚きました。
今月「Macworld Expo」でサンフランシスコに行きましたが、今回は自腹なので当然ながらエコノミー席。せめてヘッドフォンだけでも、と思いこのヘッドフォンを持参しました。往復で20時間ほど乗り、合計で10時間近く使用しました。今回は必要ありませんでしたが、機内でみかける2股のプラグ用のアダプタも付いているので安心です。
機内での使用では、私の体感で騒音が約1/3くらいになった感じでしょうか?ヘッドフォンそのものの遮音で1/3くらいカットされ、ノイズキャンセリングをONにすると、さらに半分になる感覚です。
特に機内特有の”ゴー”というノイズが低減され、ヘッドフォンをはずした際に、”こんなにうるさかったんだ”、と思う程効果がありました。
同様に地下鉄車内でもノイズ低減をはっきりと体感できました。必要以上に音量を上げずに、ポッドキャストのニュースを聞き取ることが出来ました。
不思議だったのは、通常の電車ではそこまで効果が感じられなかったことです。キャンセルできるノイズに得意、不得意があるようです。
価格と機能の絶妙なバランス
高機能でも高額だったり、音質がよくても大型だったりする製品がある中で、価格・機能ともに私のツボにハマった製品でした。
電車(特に地下鉄)・飛行機での移動が多い人にはオススメの一品です。
<良いところ>
- 低価格
- 軽くて折りたたみ可能でかさばらない
- ポーチ・機内用アダプタ付き
<イマイチなところ>
- 低音が弱め
商品名: 、『ノイズキャンセリングヘッドフォン MM-HPNR3』
メーカー: サンワサプライ
価格: 6,825円 (実売5,500円程度)