Apple Watchの画像・映像をみると、画面の背景に「黒」が使われていることがほとんどです。
なぜ背景が黒なのか、その理由について考えてみました。
iOSデバイスのホーム画面では、背景に「壁紙」として画像が使われていますが、Apple Watchでは壁紙はなく黒一色です。
また、数百万通りあるとされる「時計」の表示も、例として挙げられているものは全て背景に黒が使われています。
どうやらApple Watchの画面は「背景には黒」というルールがあるようです。
アプリも背景は黒
ホーム画面や時計だけでなく、アプリについても同じことがいえます。
アップルによる標準アプリはもちろんのこと、サードパーティ製アプリにおいても、「背景に黒」のルールが忠実に守られているようです。
デザイン上の理由
ほとんどの画面で背景に黒が使われている理由として、「デザインを統一する」ということが挙げられます。
優れたユーザーインターフェース(UI)は、デザイン・操作に統一感があり、ユーザーの戸惑いを最小限に抑えてくれます。
実際に、アップルが公開しているUIの資料「Apple Watch Human Interface Guidelines」の中に、次のような記述があります:
… Use black for your app’s background color. A black background blends seamlessly with the device bezel and maintains the illusion of no screen edges. Avoid bright background colors in your interface…
…アプリの背景には黒を使用すること。黒の背景はベゼルとシームレスにブレンドし、スクリーンの端が無いような錯覚を覚えさせる。背景に明るい色を使わないこと…
サードパーティのアプリも黒で統一されているのは、これに従ったためと思われます。
液晶ではなく有機EL
ではなぜ他の色ではなく「黒」なのでしょうか。
iOSデバイスでは白いベゼルもありますし、ベゼルとの境界の問題であれば、外枠だけ黒でもよいはずです。
それに対する答えは、Apple Watchのディスプレイにありそうです。
ディスプレイについて公式には「フレキシブルなRetina ディスプレイ」との説明があるだけですが、アナリスト等のレポートによると、LGによるP-OLED (プラスチック有機EL)が採用されているとのこと。
バックライト方式の液晶とは異なり、画素自体が発光する自発光方式の有機ELでは、黒は「オフ」の状態となり電力を節約できます。
バッテリーはApple Watchの最大の弱点ともいわれており、省電力が重要な課題だったことが想像できます。
よって「背景は黒」に統一された大きな理由は、少しでもバッテリー持続時間を長くするため、だったのではないでしょうか。
【追記】考えられるもうひとつの理由については、下のエントリーをどうぞ。