iFixitが、発売されたばかりの「AirPods Pro」の分解レポートを公開しました。
恒例となっているiFixitの分解レポートは、目に見えないハードウェアの進化を探るのが目的です。
また、修理のし易さを評価することで、消費者の「修理をする権利」を守ると同時に、製品の寿命を伸ばすことで環境への負担を減らす、という狙いもあります。
歴代の「AirPods」のレポートは「分解」というより「破壊」に近いものでしたが、今回の「Pro」も例外ではなく、ヒートガンによる接着剤の剥離および万力で変形させることで、やっと隙間を作れるようです。
これまでのAirPodsは、長く伸びた通称「うどん」の部分に特殊な形状の充電池が内蔵されていましたが、Proでは新たにボタン型のバッテリーを採用。
ラベルによるとドイツ製のCP1154というバッテリーで、容量は168mWh。AirPods 2の93mWhと比較して大幅に増えているのは、ノイズキャンセリング機能のためと思われます。
バッテリーの大きさを、Galaxy Budsの物(写真右)と比較したところ。
AirPods 2の方が一回り小さいようです。
隙間を埋めている接着剤などを取り除くと、ドライバーユニットが現れます。
こちらは細い銅線が巻かれたコイル。
Appleマークがある部分が「Apple H1」チップなどが入ったパッケージ。
短くなった「うどん」の部分は分解できるように作られおらず、内部をみるためにカッターで切断。
内部には圧力センサー・アンテナ・マイクなどが入っているようです。
レントゲンでみるとこのような感じ。
ケースをこじ開けると、バッテリー・ロジックボード・Lightningコネクタなどが顔を出します。
なぜかバッテリーパックは2個になり、合計の容量は1.98Whで、AirPods 2の1.52Whより大きくなっています。
破壊を含む分解のため、「修理難易度スコア」は10段階中の最低の「0 (ゼロ)」との評価を受けています。
イヤピースのバッテリーが汎用性が高そうなボタン式になったものの、自分で交換するのはハードルが高そうです。
これまでのAirPodsはバッテリーがヘタってくると買い換えるしかないため、環境にあまり優しくありませんでしたが、Proになってもこの点においては進化していないようです。
分解の詳細および動画による解説は、iFixitのレポートをどうぞ。