ブルーライト軽減機能「Night Shift」が低電力モードで利用できない理由

iOS 9.3の新機能「Night Shift」が、低電力モードで利用できない理由について調べてみました。

「Night Shift」は、画面の色温度を暖色系に変えてブルーライトを軽減することで、睡眠への影響を抑えてくれる機能ですが、(裏技的なことしない限り)なぜか低電力モードと併用することができません。

「低電力モード」は、パフォーマンスの低下と引き換えに消費電力を抑えて駆動時間を長くするためのものです。

よって併用できない理由は、「Night Shift」が消費電力に影響するからではないかと考え、実際に計測してみることにしました。

計測には、フライトモード・画面の明るさ中のiPhone 6sを使い、「Coconut Battery」という消費電力を計測できるアプリを利用。

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Night Shiftをオンにすると消費電力が増える

上のアプリで15秒毎に3分間計測し、その平均値で比較したのが下のグラフ。

Night Shiftをオンにすると、僅かながら消費電力が増えるようです(約6%)。

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消費電力が増えるのはバックライトのせい?

では、Night Shiftで消費電力が増えるのはなぜでしょうか。

画像処理のオーバーヘッドも考えられますし、ほかの理由かもしれません。

そこで、Night Shiftのレベル(強さ)を変えて比較してみました。

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すると、Night Shiftを最大にすると、通常よりも約17%消費電力が増えることがわかりました(今回の検証の条件下で)。

Night Shiftのレベルによって値が異なることから、画像処理のオーバーヘッド以外のところに原因がありそうです。

画面の色温度を暖色系にすると視認性が落ちるので、LEDバックライトの輝度を上げてそれを補っているのかもしれません。

いずれにせよ、「Night Shiftを使うと僅かに消費電力が増える」、ということは覚えておいて損はなさそうです。