米BioLite社から発売された、焚火の熱で発電してUSBパワーを出力する『BioLite Camp Stove
』購入、試してみました。
このストーブは、温度差を電力に変換する「熱発電モジュール」を内蔵。小枝などの燃料を入れて燃やすだけで、iPhoneをはじめとするUSBパワーのデバイスを充電ができるという製品です。
まずは、ステンレス製の炉に収納されている、オレンジ色の発電モジュールを取り出します。
このモジュールは熱発電だけでなく、炉に空気を送り込むためのファンも内蔵しています。
発電モジュールを取付け、折畳み式の3本の脚を広げます。
かなりしっかりとした造りで安定感があります。
炉の中心に飛び出している棒状のものが熱発電モジュール(一部)。ここで熱を取り込み発電します。
炉の内側に開いている小さな穴は、ファンによる空気が出てくるところ。酸素が常に供給されることで、安定して強力な火力(=電力)を発生させることができます。
発電モジュールにはバッテリーが内蔵されており、初回のみ使用前に充電しておくことが推奨されています。その後は、6ヶ月に一度以上利用すれば充電の必要はないとのこと。
準備ができたら、小枝などの燃料を炉に入れて着火します。
今回利用したオートキャンプ場では小枝があまり見つからなかったため、焚火用の薪を小さく切って使うことにしました。
付属の着火剤を使用したところ、瞬く間に火起こしに成功。着火剤がなくても、送風ファンがあるため簡単に火が着きそうです。
送風ファンは、パワーボタンで「Low(弱)」「High(強)」の切替ができます。
ファンの音は静かで、早朝・夜間に使用してもそれほどきになりません。
しばらくすると、USBパワーが利用可能になったことを知らせるグリーンのLEDが点灯します。
充電は通常のUSBポートからのものと同じ。
今回はテストとして完全に放電したiPhone 4を接続してみました。
携帯性を重視したコンパクトなサイズなので炉が小さく、いちどに多くの燃料を入れることができません。
火力を維持するには、比較的頻繁に枝などを追加し続ける必要があります。
また、炉が縦方向なため、温度が高い真上から燃料を入れることになり、素手ではなくトングのようなものがあったほうが安心です。
充電を続けること約16分でiPhone 4が起動しました。
その後も継続して充電したところ、次のような結果が得られました。
- 1時間後:17%
- 2時間後:30%
- 3時間後:44%
- 4時間後:55%
よく観察していると、iPhoneへの給電は連続しておらず、BioLiteのLEDもグリーン(充電可能)とオフ(充電不可)の状態を繰り返しています。
熱発電だけではUSBパワーに必要な電力を連続して発電できず、いったん内蔵のバッテリーに電力を貯めてから出力しているためと思われます。
iPhoneの充電はかなり気長に待つことなりますが、その間焚火によって発生した熱を料理に利用することもできます。
ファンによる送風で小型ながら強力な火力を生み出すため、予想以上に早くお湯を沸かすことができました。
今回は暑い中でのテストでしたが、気温が低い季節であれば、電気・ガスがなくても温かいものを食べられ、防災用品としても使えそうです。
お湯を沸かすだでなく、ガスのように普通の料理もできます。下は、ホットサンドメーカー『ニュー・バウルー』を使ってみたところ。
火力は入れる燃料の量とファン(Low・High)によって、ある程度コントロールできます。
注意したいのは、料理中に液体が吹きこぼれると、本体が濡れて故障の原因になること。
よって、飯盒でご飯を炊く、というような使い方は避けた方がよさそうです。
時間はかなりかかるものの、実際に熱発電でiPhoneを充電できることを確認できました。
iPhone以外にも、USBで単3・4型エネループを充電できる『N-MDU01AS』
などと併用すれば、用途はかなり広がるのではないでしょうか。
価格は15,336円(税込)。
だれにでも勧められる製品ではありませんが、アウトドア派の人は結構楽しめるグッズかもしれません。