アップルが、1月19日(現地時間)に教育関連のメディア向けイベントを開催。
教科書向けのアップデートされた「iBooks 2」、インタラクティブな電子書籍を作成できる「iBooks Author」、教育コンテンツを閲覧できるアプリ「iTunes U」を無償で公開しました。
イベントの冒頭で、紙をベースとした教科書が抱える問題を、
- Portable:携帯性
- Durable:耐久性
- Interactive:インタラクティブ性
- Searchable:検索性
- Current:コンテンツの鮮度
にあると分析。
これらの問題を、iPadでの利用を想定した教科書の「電子化」、アプリおよびツール、によって解決することを目指しているとのこと。
今回の発表のポイントをまとめると、次の4点となります。
1.「iBooks 2」
iOS向けの電子書籍アプリ「iBooks」をアップデートし、インタラクティブ性を向上、蛍光ペンでのハイライト機能、メモ書き機能などを追加。
iBooks
ブック:36.9 MB
価格:無料
対応:iPhone・iPod touch・iPad (ユニバーサル)
2.「iBooks Author」
Mac OS向けの電子書籍(教科書)作成ツール。用意されたテンプレートで専門的な知識がなくてもインタラクティブな電子書籍を作成できる。
iBooks Author
仕事効率化:136.4 MB
価格:無料
対応:Mac OS X
3.「iTunes U」
大学の講座や教育関連のコンテンツを配信する「iTunes U」をiOSでバイスで閲覧するための専用のアプリ。
iTunes U
教育:12.1 MB
価格:無料
対応:iPhone・iPod touch・iPad (ユニバーサル)
4. iTunesのTextBooksセクション
北米で教科書を出版するMcGraw-Hill、Pearson、Houghton Mifflinの3社がパートナーとなり、iTuneで教科書コンテンツの配信を開始。
3社を合計すると、北米の教科書販売で90%のシェアを占めるといわれ、電子版への移行が進む可能性がある。
故スティーブ・ジョブズ氏が、「テレビ・写真・教科書の3つをreinvent (再発明)したい」と語っていたことから、アップルが教科書に関するイノベーションに取り組んでいることは予想されていました。
米アップルは歴史的に教育マーケットに力を入れており、教育現場でのMacの普及率が高く、教員が「iBooks Author」でコンテンツの作成し、それを生徒がiPadで閲覧する、というサイクルも現実的といえるかもしれません。
今回のアップの取り組みは、北米の高校を主なターゲットとしていますが、高等教育へと拡大していくことは明らかです。
良質で低価格な教科書の提供は、教育のレベルアップ、強いては将来の国際競争力にも影響を与えることが考えられ、今後の動向が注目されます。
イベントの模様を収録した動画(英語)は、下のリンクからどうぞ。