アップルが、WWDC2011の基調講演で、新しいサービス「iCloud」を発表。
クラウドを経由し、音楽・写真・アプリ・ドキュメントなどを、複数のデバイス間でワイヤレスかつ自動で同期することができるようになります。
1. Photo Stream (写真)
現状では、iPhoneで撮影した写真をiPadでみたい場合、いちどiPhoneをMac/PCに接続して画像を転送し、今度はiPadを接続して読込む、といった手間が発生します(もちろんメールやその他クラウドサービスを使うことも可能)。
「iCloud」の「Photo Stream」機能を使うと、iPhoneで撮影した画像はワイヤレスでクラウドにアップロードされ、所有しているiPod touch・iPad・Macなど、最大で10台までのデバイスへプッシュでダウンロードされます。
同様に、デジタルカメラをMacに繋ぐと、iPhotoに読込まれた画像が自動的に他のデバイスにプッシュされます。
すべてが、ワイヤレスかつ自動で行われるため、意識することなく利用できます。
2. iTunes in the Cloud
iTunesについても、1つのデバイスで購入すると、他のデバイスへ自動的にダウンロード・利用できるようになります。
「Automatic Download」の設定をオンにしておくと、購入した音楽が全てのデバイスにダウンロードされます。
また、過去に購入した履歴のある音楽も、手動でダウンロードできます。
また、自分でCDから読込んだ音楽に対しても、「iTunes Match」というサービスを利用することで「iCloud」を利用することが可能です(有料;US$24.99/年)。
CDから読込んだファイルをスキャンし「iCloud」上に登録されている1,800万曲と照合。マッチしたものはiTunesで購入したものと同じように扱われます。
これにより、ライブラリのサイズが大きい場合でも、「iClould」に全てのデータをアップロードする必要がなく、他のデバイスにダウンロードして利用できるようになります。
3. バックアップ
これまでiTunesでのみ可能だったデバイスのバックアップが、「iCloud」でも可能になります。
音楽・アプリ・書籍・写真・動画といったコンテンツをはじめ、デバイスの設定やホーム画面のレイアウトまで、クラウド上に保存。
新しいデバイスを購入した場合に、Wi-Fi環境とApple ID(とパスワード)があれば、リストアすることができます。
この他にも、これまでMobileMeで提供されていたメール(me.comドメイン)や、コンタクト・カレンダーの同期といった機能も含まれます。
「iClould」の機能をみていると、Mac/PC上のiTunesをクラウドで置き換える、ということを目指してるようにも思われ、iOSデバイスをMac/PCに接続する機会がかなり減ることになりそうです。
また、「iCloud」に割当られる5GBという容量は一見少なく感じられますが、音楽・アプリは購入履歴のみを保存するため、それほどスペースを取らないはずです。問題は、膨大な写真や動画をバックアップする場合でしょうか。
「iCloud」は今秋に無料で提供される予定です。