【レビュー】高速化&容量をアップしつつ価格を抑えた『新iPod touch(Late 2009)』〜後編

ipod_touch_3g_late_2009_16.jpg

前編では、9月26日から販売が始まった新iPod touchの機能や価格についてレビューしました。後編では、気になるパフォーマンスについて検証していきます。

新iPod touchが発表された9月10日のイベントで、32GB・64GBモデルは昨年に比べ50%高速化したと解説されています。

実際にどの程度違うのか、ベンチマークアプリなどを使って比較してみました。

ipod_touch_3g_late_2009_17.jpg

ベンチマークの結果を見る前に、あらためてiPhone・iPod touchシリーズのハードウェアの違いを確認しておきたいと思います。

発売日の順に並べました。メモリ・プロセッサのクロックなどは、無料のアプリ『Checkup
icon
』などを使用。

  iPhone
(初代)
iPod
touch
(初代)
iPhone
(3G)
iPod
touch
(2G)
iPhone
(3GS)
iPod
touch
(新)
発売 2007/7 2007/9 2008/6 2008/9 2009/6 2009/9
プロセッサ
(Mhz)
412 412 412 532 600 600
バス
(Mhz)
103 103 103 133 100 100
メモリ
(MB)
128 128 128 128 256 256
L1
Cache
(KB)
16 16 16 16 32 32
Cache
帯域
(bit)
32 32 32 32 64 64
OpenGL ES 1.1 ES 1.1 ES 1.1 ES 1.1 ES 2.0 ES 2.0

iPhone 3Gまでは同じスペック。第2世代iPod touchは、同じプロセッサー/アーキテクチャのまま、Busクロックを上げることで高速化をはかったと考えられます。

iPhone 3GSではハードウェアを刷新。倍増されたメモリ・キャッシュ、600MHzに引き上げられたクロックで大幅な高速化を実現しています。

表のスペックを見る限り、新iPod touch(32GB・64GBモデル)は、iPhone 3GSと同等のパフォーマンスが期待できそうです。

“もっとも速く、パワフル”なiPhone 3GSと同格

スペック上に違いが、実際にはどの程度のものなのか、ベンチマークができるアプリ・サイトを使って試してみました。

測定方法:

なるべく同じ条件にするため、iPhoneはフライトモードでWi-FiのみONにし、再起動後を行った後、それぞれ3回測定した平均値を採用。グラフは初代iPhoneを1とし、その倍数で表しています。

テストに使用したOSは以下のとおりです。

  • 初代iPhone – OS 2.2.1
  • 初代iPod touch – OS 3.1.1
  • iPhone 3G – OS 3.1
  • 2G iPod touch – OS 3.1.1
  • iPhone 3GS – OS 3.1
  • 新iPod touch – OS 3.1.1

まずは、このサイトで以前から使用している、その名も『Benchmark
icon
』というアプリを使用。

10万個のオブジェクトを生成する時間でスコアを出すという簡易ツールで、プロセッサーとキャッシュの速度が結果に反映されます。

キャッシュの効果が絶大で、クロックの差以上のパフォーマンスをとなり、iPhone 3G(黄色)の約5倍、iPhone 3GS(紫)と肩を並べています。

ipod_touch_3g_late_2009_18.jpg

次に使用したのは、ブラウザのJavaScriptのパフォーマンスを計測する「SunSpider」。

iPhone OS 3.0でJavaScriptのパフォーマンスが大きく向上したため、初代iPhone(青)に比べ、同じハードウェアの初代iPod touch(緑)・iPhone 3G(黄)が約3倍の速度となっています。

ここでも、新iPod touchはiPhone 3GSと同等のパフォーマンスを出していることが判ります。

ipod_touch_3g_late_2009_19.jpg

次に、『Checkup
icon
』のテスト機能で、フラッシュメモリへのRead/Writeを計測してみました。

ここでも、iPhone 3GS・新iPod touchがクロックの差以上の結果を叩き出しています。キャッシュおよび製造プロセスの違いが大きく影響しているようです。

ipod_touch_3g_late_2009_20.jpg

ベンチマークの結果では、第2世代に比べて2倍から3倍の速度を出していますが、体感速度はAppleの発表している”最大で50%高速化”に近い印象です。

また、テストをするのが難しいですが、メモリが256MBに倍増したことで、メモリ不足による反応速度の低下が起こりにくく、動作が安定していることが推測されます。

今回のアップデートは、目玉となる新機能が無いながらも、Appleが着実にハードウェアのレベルアップを計っていることが伺えます。

モデル

型番
MC086J/A
MC008J/A
MC011J/A
定価
19,800円
29,800円
39,800円