軽くて素早く検索できる電子辞書が、紙の辞書に劣る点とは何でしょうか?
そのうちのひとつは、ページをめくりながらことばを探す楽しさを味わえないことかもしれません。
紙の辞書は使い込むと手に馴染み、素早く目的のページに辿り着くことができるようになります。また、ページをめくっている時にふと目に留まった項目から新しいことばに出会ったりするのも嬉しいものです。
今日のアプリ『大辞林
』は、そんな紙の辞書の楽しさを、斬新なユーザーインターフェイスで電子辞書の世界に持ちこむことに成功した国語辞典です。
『大辞林
』は定評のある「スーパー大辞林3.0」の約25万5千項目を収録。2,700の図表もすべて収められています。
辞書の中身もさることながら、この『大辞林
』の最大の特長はなんといっても、タイル状に敷き詰められたことばをフリックしながら探す”インデックス“画面です。
実際の動作をぜひ動画で確認してみてください。
インデックスで「すべて」を選択すると、全項目(!)がタイル状に敷き詰められます。
「すべて」を選んでも表示レスポンスは軽快で、特にスクロールのスピードは驚くほど高速です。
インデックスは「五十音」や、「地名」といったカテゴリも用意されいます。「すべて」も楽しいですが、こちらの方が実用的かもしれません。
語彙の説明文は美しく読みやすいヒラギノ明朝体。フォントサイズはデフォルトでも読みやすいですが、ピンチアウト・インによる拡大縮小にも対応しています。
非常に便利なのが、説明分の中に出てきたことばを検索する”ジャンプ機能“。
よくある、”あらかじめリンクされた項目へのジャンプ”ではなく、文中のどの単語でも指でなぞるだけで検索することができます。(上の動画を参照)
もちろん検索履歴、ブックマークといった基本機能も搭載。
検索は文字入力と同時に候補が絞りこまれていく「インクリメンタル・サーチ」を採用し、モードは前方・後方・完全に対応。検索窓左のボタンでモードを切り替えることが可能です。
設定画面は「インデックス」の「大辞林について」にあります。文字のサイズや濃淡、背景色を変更することができます。
App Storeのでは11月中旬に小学館の『デジタル大辞泉2009i』、岩波書店の『広辞苑
』といったアプリが公開され、国語辞典市場ににわかに活気が出てきました。
この『大辞林
』は後発となりましたが、すでにいくつもの辞書アプリをリリースしている物書堂がユーザーインターフェイスにこだわり、満を持して投入した感があります。
書籍の次の版が出るまでアップデート(不定期)が無料で提供されるというのも嬉しい特典です。
価格も競争力があり、国語辞典を選ぶのであれば、現時点での最有力候補となりそうです。
タイトル | 大辞林 |
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カテゴリ | App Store > レファレンス | ||
開発 | 物書堂 | ||
対応機種 | iPhone・iPod touch | ||
価格 | 2,500 円 | レーティング | ★★★★★ |