iOS 9の「低電力モード」では、処理速度が通常よりも約4割落ちるようです。

iOS 9の新機能「低電力モード(Low Power Mode)」は、デバイスの消費電力を減らすことで、駆動時間を延ばすというものです。

バッテリーの残量が20%以下になると「低電力モード」を促すプロンプトが表示されるほか、「設定」 >「バッテリー」から手動で切り替えることもできます。

この機能について、アップルは詳細はを明らかにしていませんが、バックグラウンド処理の停止、ネットワーク通信の節約、UIアニメーションの省略など、様々な要素を組み合わせていると考えられます。

忘れてならないのはプロセッサーで、ディスプレイと並び電力を大量に消費するため、なんらかの手が打たれているはずです。

プロセッサーの処理能力は約4割ダウン

下は、おなじみの『Geekbench 3 App Store』で、「通常モード」(左)と「低電力モード」(右)において、プロセッサーのベンチマークテストを行ったものです。

ios9_low_power_mode_1

結果をグラフにすると下のようになります。

シングルコアで約36%、マルチコアで約40%、とパフォーマンスの低下がみられます。

たしかに低電力モードでSafariを使うと、サイトによってはもっさりとした感じがするので、実際に処理速度が落ちていると思われます。

ios9_low_power_mode_3

約40%のアンダークロック

PCの世界などでは、性能を上げる目的でプロセッサーの駆動周波数を上げる「オーバークロック」と呼ばれる手法があります。

逆にクロックを下げる「アンダークロック」をすれば、処理能力および消費電力を抑えることができます

下は、「通常モード」と「低電力モード」のクロックをまとめたもの。

ベンチマークの結果とほぼ同じ、40%前後の低下がみられます。

通常・低電力モードのクロック
モデル 通常モード 低電力モード 低下率
iPhone 6 Plus 1.39GHz 0.790GHz 43.2%
iPhone 6 1.39GHz 0.791GHz 43.1%
iPhone 5s 1.30GHz 0.807GHz 37.9%

「低電力モード」はどのくらい有効なのか

バフォーマンスやその他の機能を犠牲にし、「停電力モード」を使うことでどのくらいの「延命」が期待できるのでしょうか。

環境や使用しているアプリの影響が大きいため、実際に計測するのは難しいのですが、『Geekbench 3 App Store』に追加された、バッテリーベンチマーク機能を使ってみることにしました。

このベンチマークは、プロセッサーに負荷を与え、バッテリー残量が100%から1%になるまでの時間を計測するものです。

下はiPhone 6の「通常モード」(左)と「低電力モード」(右)でテストを行った結果で、駆動時間が約42%伸びていることがわかります。

ios9_low_power_mode_4

やや大雑把なテストですが、「低電力モード」の効果を確認できたと思います。

このモードを上手に利用すれば、出先でバッテリー切れになる、等の失敗をかなり防げる気がします。

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