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リアルタイムで観て頂いた方もいると思いますが、先週行われたWWDCの基調講演で、写真とテキストによる「ライブ中継」に挑戦しました。

これについていくつか質問を頂いたので、利用したサービス・機材・ライブ中継での体験などをまとめておこうと思います。

事前準備

WWDCの基調講演は非常に注目されるイベントなので、海外のメディアはもちろん、国内でもライブでの中継を試みるサイトが多くあります。

もともとは、基調講演後にサイトに内容を掲載する予定だったのですが、出発が近づくにつれてできる限り早く内容を伝える方法がないか考えるようになりました。

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大手メディアのような予算もリソースもないので、最小限の費用と機材で可能な限り内容を伝えることを目標としました。

これまでに2回MacWorld Expoの基調講演に参加しているため、当日の会場の状況はある程度予想することができます。まず心配されるのが電源と通信環境です。

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電源

今回使用したMacBookはのバッテリーは持って2時間。ある程度余裕をもて予備のバッテリーを購入。さらに、ありがたいことにMagSafeに対応した外部バッテリーをお借りすることができ、3つのバッテリーで本番に臨むことができました。

データ通信

事前の情報では、MacWorldと違って会場にWi-Fiがあるとのことでしたが、大勢が一斉に利用するため回線の混雑は必至です。そこで、3Gデータカードモデム(イーモバイルのようなもの)を、RovAirという会社からレンタルすることにしました。

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一日あたり$10程度+送料で、ホテルへFedexで送付してくれます。ホテル内のネット接続が通常$10/日ほどチャージされることを考えると、リーズナブルな価格だと思います。

撮影機材

会場がかなり暗いことは分かっていたので、ISO 6400まで対応し手振れ補正機能の望遠レンズがついた『Canon Kiss X3
』を用意。

ハイビジョンの動画も録れるので、Xactiの分荷物を減らすことができました。このクオリティのデジタル一眼が10万円以下で買えるのですから世の中捨てたものではありません。

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画像転送

撮影した写真をMacに取込むのに、カメラのSDカードをいちいち抜き差ししていると時間のムダなので、ワイヤレス(Wi-Fi)でカメラからMacへ転送できる『Eye-Fi Share Video
』を購入しました。

Ad-Hocの接続に手間取りましたが(ここでも助けて頂きました)、撮影したその場からほんの数秒でMacへ自動的に取込まれるので、画像アップロードの手間と時間を節約できます。

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また、プリペイドのSIMを入れたiPhoneと外部バッテリーを2つ持参。MacBookの電源や通信に問題が生じた場合、iPhoneからの更新へ切換えるという、いわばバックアップのためです。

ライブ中継用の多機能サービス「Cover It Live」

今回のライブ中継を可能したのは、なんといってもこのサービス「Cover It Live」のおかげと言っても過言ではありません。

人気のライブ中継で最も懸念されることは、貧弱なサイト(一応専用サーバーを借りていますが)では、アクセスが集中すると極端に遅くなったり、場合によっては落ちたりしてしまうことです。(3月のiPhone OS 3.0 プレビューイベントで経験済み)

イベント用にサーバーを用意するのが一般的ですが、そのような予算をかけることはできません。そこで、外部のサービス「Cover It Live」を利用すことにしました。

Cover It Live」は、スポーツ、企業の業績発表などのイベントを中継するためのサービスで、無料で利用することができます(今後有料化の可能性あり)。

テキストでの実況に加え、写真・動画のアップロードにも対応。実況をする管理者は専用コンソールから全てをコントロールすることができます。

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アマゾンのEC2/S3ベースに開発されているようで、大きなイベントによるアクセスの集中にも耐えられるように設計されています。

サービスにサインアップして、設定項目を入力するだけで中継イベントを作ることができ、「2分でセットアップ」という謳い文句のどおり簡単に設定が完了します。

アンケートの実施や、コメントの管理、Twitterからのフィードで複数のライターによる更新など、非常に高機能なことも魅力で、イベントの中継に利用するメディアも増えてきているようです。

Cover It Live」の統計機能によると、イベントの中継中に訪れたユーザーは15,665人、1分以上ページを見ていたユーザーは10,030人に上りました(共にユニークユーザー)。

また、414件もの応援・質問のコメントを頂き、全てを紹介しきれないほどでした。参加頂いた皆さんに感謝いたします。

基調講演の本番

当日は開演の5時間前に並び始め、行列の様子などを中継を開始。

途中で電源を確保したことなどからバッテリーを贅沢に使い過ぎ、肝心の「iPhone 3G S」の発表時にバッテリーがなくなるという失敗もありました。

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今回の経験で分かったことは、いくら便利なツールの助けがあるとはいえ、ひとりで翻訳・入力・撮影の全てを行うのは困難だということです。

最低でも、翻訳・入力と、撮影・管理画面操作の2人が必要だと感じました。

次にライブで中継をする機会があるか分かりませんが、今後はこれらの経験を踏まえて、皆さんに楽しんで頂ける中継をしたいと思います。